レポート:「おとぎ展」に行ってきました。


みなさんお元気ですか?


やや間が空いてしまいましたが

8月9日に伺った「おとぎ展」について

書こうと思います。

鈴木さんをはじめ、各美大の有志が

集まったグループ展。。

もう、みなさんご存知ですよね。

今回は藝大の卒業制作の実物も初めて

見させていただきました。


ベースとなる正方形のグリッドと

同サイズの正三角形を組み合わせて

からすを描かれているようでした。

単純化された描線と、大きな目が特徴で、

1羽1羽はかわいらしいフォルムなのですが

このように複数羽集まっていると

背景の太陽の色も相まって

不気味さを感じます。


こちらは絵本なのですが

ストーリーの終盤ではこのカラスたちが

どんどん増えていって、

ついには空を覆うほどになります。

相似形(のように私には見えた)の

黒い鳥たちが

空ばかりか、すべての存在を

黒く塗りつぶしていく様は

あのヒッチコックの名作「鳥」と同様に

抗うことのできないほどの

恐怖や現実の前で、なすすべのない

人間の無力さを表現しているようにも

思えました。

(絵本の原画も展示。)


もうひとつ紹介したいのはこちら。

「あめふり」という作品です。

絵本原画の公募展として、

絵本作家の登竜門ともなっている

ボローニャ国際絵本原画展の巡回展に

合わせて、板橋区立美術館で

開催されたセミナーに鈴木さんが

参加された際に創られたものだそうです。


中でも印象に残ったのは

雨の降る日、お母さんが

子供を保育園に迎えに来た

その一瞬をとらえたこのカット。

こちらは原画ですが

この一瞬を様々なアングルから

とらえられていました。

この絵に一度見たことがあるような

既視感を覚えたのですが

園児だったころの自分の記憶と

同じような場面を経験した記憶が

親と子それぞれの視点で

よみがえったからなのかもしれません。


写真ではとてもコンパクトな装丁に

見えますが、

大きく1枚に広げられるしかけがあったりと

とても面白い作品でした。


「おとぎ展」に伺わせていただくのは

今回で2回目でしたが、

メンバーのおひとりが身体を壊されて、

作品を出されていなかったこともあり、

前回に比べるとやや寂しい印象の

展示会ではありました。

ぜひ、次回は期待したいです。


ところで、「おとぎ」という言葉は

おとぎ話に代表されるような

昔話や伝説、空想話などのファンタジーを

想起させますが、

実は夜の慰めや妾といった意味も

含んでいたりするそうです。


展示物は各々1点づつでもいいので

例えば、おとぎに対しての解釈を

毎回ひとつのテーマにしてみて
さらに切り込んで表現されたものを

見てみたいなぁとも思いました。


ぜひ、機会があれば、みなさんも

ご覧になってください。


amuse bouche

湘南ゼミナール 広告宣伝部、広報室のメンバーによる コラムメディアです。 みなさんから 寄せていただいたコラムを 少しづつ、紹介していきます。 日々のクリエイションの中で、 見つけたことや 感じたこと、 考えたことなどを 共有してみませんか。

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