鈴木図書#1
こんばんは、エビフライ鈴木です。
私は本の紹介をメインで書こうと思います。
興味のある本を見つけた方は、是非声をかけてください。貸します。
『アライバル』ショーン・タン
以前アメトークでカズレーザーがお気に入りの本として紹介していました、ショーン・タンの『アライバル』です。
リアルなタッチで描かれた、大人向け絵本。
文字が一切使われていません。
このように、コマの連なりで物語を表現しています。
物語の舞台はとある架空の国です。
見たことのないような美しい生き物、植物、建物で溢れています。
要素一つ一つデザインが凝っていて見ていて飽きません。
このページでは言葉が理解できず四苦八苦する主人公が描かれています。
著者は100人以上の移民にインタビューをし、それをベースに物語を描いています。
建物も生き物もファンタジー色の強い、架空の国でのお話ですが、
主人公が体験する問題はリアルで生々しく、興味深いです。
言葉も分からない、文化も分からない、電車の乗り方も分からない。
食べ物や生き物も、見慣れないものばかり。
でも、困っているときに手を差し伸べてくれる人も存在し、その人たちとの交流に救われます。
主人公が出会う人々もまた移民で、自分たちが母国を離れなければならなくなった理由がたくさん紹介されます。
そのなかでも掃除機で人々を吸う巨人が描かれているページが怖くて印象的です。
著者は、とある独裁国から移民した女性から聞いた話をベースにこの絵を描きました。
彼女は「人々の感情も、思いも、なにもかもが吸い取られていた」と語ったそうです。
ファンタジーで夢のような世界観がありつつ、内容はかなり社会派な、大人向け絵本です。
興味のある方は是非鈴木まで!
ーーー
ところで、この絵本にしても、
ポスターにしても、バナーにしても、
私達は常に左上から右下へ、文字を読むのと同じように「絵を読んで」います。(※)
特に文字のない絵本は、
「絵を読ませる」構成が命です。
読者は何を期待して・何が観たくて・何を探して、どのように目線を動かすのか、
ちょっと気を遣うだけで、製作物のみやすさはかなり違ってきます。
※
横書きのもの、洋書などは、左上から右下へ目線が行きます。
縦書きのもの、漫画・小説は左上から右下へ目線が行きます。
0コメント